狼と香辛料IX 「対立の町(下)」
金曜日に小説 狼と香辛料9巻を購入して読了したんですが、いささか食傷気味。
せっかく上下巻に分かれて、物語も大きく展開するのか、ホロの知略も活躍するのか、ラブコメは、、、と期待していただけに、ショックでした。
肝心のホロの出番がないし、物語の主軸となるはずの「イッカク」を切っ掛けに町の商業権を巡る争いが、いまいち動機付けとしては弱いことで、同じようなことを説明している文章が何度も出てきて、全体的に間延びしてページをめくるのがおっくうになりました。
2度3度読む気にはなれないところです。
当初のラブコメ要素があってこその物語の成立にもかかわらず、途中でホロもロレンスも「お互いつかず離れずにしようとの暗黙の了解」などというルールを作ってしまったので、8~9巻は読みづらいだけになっているようです。
文中では、ひたすら「儲けのためなら殺しをも厭わない」と物語にスリルを出そうとしているのですが、動機が弱いので「どうして?」と思う物語進行や場面転換があって、本当に読みづらい。
作者という神によって決められた物語なのでしょうがないのですが、全体が一つの意志の上にしか成り立っていないというべきか、複数の登場人物がいるにもかかわらず、皆思考レベルが同じ。
本来、現実世界ではあり得ないことです。他人の考えは自分の考えの外にあるものですから。
初期の巻は素材自体が新鮮で楽しむ要素もそれなりにあったのですが、最近の巻では、途中で無理矢理な根拠、証拠が登場してきて解決してしまうので、物語に入りきれないで終わってしまいます。
情報におぼれ頭でっかちなだけで、世界のすべてを悟った気になっていると、本質は何も見えてこないのだと気づかされる、なんかそんな感じを受けてしましました。
ああ、酷評しているなぁ、始まりがよかっただけにショックが大きいんだと思います。