聞こえるか
DSDの再生周波数の上限は、100kHzに設定されています。
正確にはカットオフ周波数で、これ以上の周波数の信号を出力しないようになっています。
DSDで実際に記録できる周波数は、1.4MHzであり100kHzよりもさらに高い周波数まで記録できるのです。
しかし人間の可聴領域は22kHzまでですし、さらには現在のスピーカーやヘッドフォンで再生出来る周波数は100kHzぐらいが上限です。
とは言え高周波数の信号がスピーカーに入ってしまうと、電磁気の物理作用でユニットが動作してしまい、思わぬ誤動作で破壊されてしまうことがあります。
したがって、再生限界の100kHz以上の周波数をカットしてしまっています。
ではCDはどうでしょう。
CD-DAは44.1kHzで、1/2fの22kHzまでの信号を記録することができます。
しかし実際の利得は20kHz付近までです。
要は22kHz記録できても、正確な音声波形が記録できるわけではないためです。
それでも人間の可聴領域ぎりぎりまでの音を記録することができますので、一般的には十分な音質を確保することができるのです。
高周波数の中には、楽器で出される倍音成分や残響成分、空間雑音などが含まれています。
DSDなら本来聞き取れない音であっても、再生される音の中に含まれるわけですから、より自然に近い音が得られるわけです。
またデジタル信号をアナログ信号に変換する際に生じる量子化ノイズに対してもメリットがあります。
昔のCDプレーヤーでは可聴領域に量子化ノイズが出てしまっていたのですが、DSDなら超高周波領域に量子化ノイズを追いやることが出来、100kHzまでの領域にノイズが出てこなくなります。
いまではCDの信号をオーバーサンプリングして、デジタル信号の補間をしてからアナログ信号に変換するので量子化ノイズは目立たなくなりました。
しかし補間の際に存在しない波形を計算で予測して擬似的にデータを埋めるので、本物の音ではないのです。
この補間は音源によっては嘘くさい音に聞こえたりします。
DSDやハイレゾPCMなら補間することなく、もともと記録されている波形を再生するのですから、より自然なのです。
またDSDやハイレゾPCMは、高周波数だけがメリットではありません。
微細信号まで記録できるためダイナミックレンジが広くなります。
CDではクリップしてしまう楽曲でもDSDだと自然のまま記録できるのです。
CDはクリップするぎりぎりの音圧までコンプレッサを掛けて、全ての音の音圧を平均化して記録させます。
そうすることで聴感上は、派手でエネルギッシュな音になります。
しかし自然の音ではありません。本来小さく聞こえるような音が大きく聞こえ、大きく聞こえるはずの音が他の音と区別できなくなったりします。
ポップスなどではそれも効果的に使えば良いでしょうけど、クラシックなどには使えないです。
CDのダイナミックレンジは90db、クラシックは100db以上あるとされていますから、CDでは記録しきれません。
DSDやハイレゾPCMなら130~144dbを確保できるので、クラシックの音を自然に記録できるのです。
まあ実際は家庭でそんな音圧を再生することは出来ないでしょうけど。
と言うことで、AACやATRACやMP3ではなく、DSDやハイレゾPCM(HD Audio)を聴きましょう。