AMD Ryzen 7 5800Xのオーバークロック検証:PBO2の最適設定を探る

更新日:2026年1月22日

ASUS ROG STRIX X570-F Gamingにおいて、Ryzen 7 5800Xのパフォーマンスを最大化する設定は、BIOSが更新されるたびに変化してきました。本記事では、BIOSバージョン4002(AGESA V2 PI 1.2.0.3 Patch A)における検証結果をまとめます。

1. 従来の検証:固定OCとPBO2の限界

検証環境は、280mmラジエーター搭載の簡易水冷クーラー(AIO)を使用しています。

全コア固定OCの課題

固定OC(4.7GHz~4.725GHz)に電圧マイナスオフセット、DIGI+ Power最大設定を組み合わせた場合、気温28℃以下であればマルチコアパフォーマンスは非常に優秀です。しかし、気温が29℃を超えると、AVX処理時の排熱が追いつかずエラーやシステムダウンが発生します。個体差によっては4.7GHzでも起動不可になるケースも見られました。

PBO2による最適化

Curve Optimizerを用いた以下の設定は、ベンチマークで良好なスコアを記録します。

  • 優秀なコア:Negative Step 5~7
  • その他のコア:Negative Step 22~30
  • Scalar:x10 / Boost Clock:+200MHz

しかし、これでも固定OCのマルチ性能には及ばず、やはり高気温時のAVX負荷には耐えられないという不安定さを抱えていました。

2. BIOS(Ver.4002)での事実

BIOSの更新が進むにつれ、これまでの苦労は何だったのかと思わせる結果が出ています。

結論:BIOS 4002では「Auto」が最適解

現在、最も高いパフォーマンスを発揮するのは以下の構成です。

  • **CPU動作倍率:**Auto
  • **PBO設定:**Auto(EnableやAdvancedではなく)
  • **DIGI+ Power:**ASUS最適値(デフォルト)

自作PCやオーバークロックに慣れた人ほど、細かな数値を追い込みたくなりますが、最新環境では**「BIOS初期化→D.O.C.Pでメモリ調整→あとはAuto」**にするのが、5800Xを最も効率よく回す近道となっています。

3. 【追記】2021/08/28 現在の常用設定

さらに微調整を行い、現在は以下の設定で安定運用と高スコアを両立させています。

項目設定値
Curve Optimizer優秀コア:-5 / その他:-22
電圧 (CPU/SoC)Auto
DIGI+ Power (Core)130% / 周波数350 / Extreme
DIGI+ Power (SoC)130% / 周波数350

【ベンチマーク結果(CPU-Z)】
シングル:679 / マルチ:6755

まとめ

AMD Ryzen 5000シリーズにおける「PBO沼」には注意が必要です。BIOSやチップセットドライバーが更新されるたびに、これまでの常識を疑い、設定をゼロから詰め直すことが重要です。